訪問看護ステーションかふう

【訪問看護ステーションかふう】フットケアのご案内

訪問看護ステーションかふうのフットケア

当院の訪問看護ステーションでは、専門的なフットケアサービスを提供しております。患者さんの足の健康に気遣い、QOL向上をサポートいたします。

フットケアの重要性

足というのは意外としっかりと見る機会がありません。ふくらはぎまで靴下を履いていたり、足の裏を自分で見られるような姿勢になるのは難しいからです。体が硬くなった高齢者にはとくに足の裏を観察するのは難しく、看護師や介護士の方が足の裏を見ていることは多いと思われます。

実は足の健康にいち早く気づけることは患者さんにとってはとても大事なことです。

足の裏に傷が出来ていたり魚の目やタコなどの病変があると、歩く際に足の痛みが発生し歩きにくく転びやすくなります。そのため歩くことが億劫になるのですが、歩くことをやめると歩く力が弱くなります。これは介護が必要な状態に近づくことを意味します。また、歩く能力が低下するとトイレやお風呂など、一人でできることが減少し、QOLの低下とともに認知機能が低下、寝たきりになる可能性もあります。

また、足は第2の心臓とも言われますが特に「ふくらはぎ」はまさに心臓のような働きを行います。血液は心臓から動脈を通り、体中に酸素や栄養を供給します。この血液は心臓の力で力強く送り出されます。足の先まで行った血液は静脈を通って心臓に戻りますが、足は特に心臓から遠いため、心臓のポンプの力が伝わりにくく足から心臓に戻るのは難しいのです。そこで大事になってくるのがふくらはぎのポンプ機能です。歩行するとふくらはぎの筋肉が動き血液を心臓に帰すためのポンプとなるのです。

歩行能力が低下するとふくらはぎのポンプが使われなくなるため、血液の循環が悪くなり、むくみや静脈瘤、皮膚潰瘍、さらには心臓や脳に関連する病気のリスクが高まると言われています。血液の循環が悪くなることで血管が脆くなり、動脈硬化が進行、血管の詰まりや炎症が生じ、心臓発作や脳卒中などの命にかかわる病気が起こりやすくなるのです。

当ステーションのフットケアの特徴

当ステーションにはフットケアの専門知識をもったフットケア指導士や弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター、皮膚・排泄ケア認定看護師がおり次のようなケアを行っています。

足の裏の表皮ケア

特に高齢者は姿勢の都合上足の裏の管理は難しくなりますので、患者さんに代わって足の裏のケアを行います。

足の角質が局所的に厚くなることでたこや魚の目になりますが、痛みを感じる場合があります。そのような場合はたこや魚の目を削ったり薬を塗布することで治療します。角質は時にはひび割れを起こすことがあります。ひび割れから雑菌が入ったり、ケガの原因にもなったりするため、早めにこれらを察知し予防的な処置を行います。

足の爪のケア

巻き爪、陥入爪、肥厚爪、爪白癬などの爪に関する問題も専門的にケアできます。爪を伸びっぱなしにしておくと感染症の原因となったり、痛みや傷が出ることがあります。また、ご自分で爪を切ることが難しい方に代わって爪を切ることもできます。爪の切り方の教育も行えます。

足のリラクゼーション

足のマッサージや足浴を通じて、足の筋肉をほぐしリラックス感を提供、QOL向上に貢献します。当ステーションでは炭酸成分の入った「温泉の素」も使用しますので、香りや色もお楽しみいただけます。

温泉の素から炭酸ガスが発生し、炭酸ガス濃度を適量にすることで患者さんの血行改善にも役立てています。

静脈瘤や潰瘍の管理

静脈瘤や潰瘍は足の血行に影響を与える重要な問題です。いち早くその兆候に気づき、弾性ストッキングや弾性包帯を使用した圧迫療法により、血行を改善し、患部の状態を改善します。

当ステーションによるフットケアの一例をご紹介

まずは「温泉の素」を入れた足湯で温まっていただきます。心地よい温度に加え、温泉の色やにおいでリラックスしていただきます。

実はこの温泉の素には炭酸成分が含まれており、炭酸濃度が最適になるように足浴バケツに入るお湯の量から濃度の計算をしている徹底ぶりです。

炭酸成分は体内に入り血行改善を行い循環器系の疾患に効果があるとされています。

このようにたまに足湯に入り五感で足湯を感じでリラックスしていただくことでお喋りが弾みます。

案外こういったお喋りの中から重要なお体の健康情報が得られたりします。患者さんが話しやすい環境を作ることで患者さんから情報を引き出し、そこから体の変化に気づいてあげるのはとても大事なことです。

足湯に入りながら足のマッサージも行い血行を促します。直に触れることで状態の変化、押してみて痛みが無いかなど確認していきます。

気軽に温泉やマッサージなどに行けない方にとっては至福の時間のようです。とても嬉しそうです。

 

お湯でしっかりと温まり角質が柔らかくなってきたら、足を外に出します。

指の間まで拭きながら、ケガなどが無いかも丁寧に確認します。

角質が柔らかくなったので、魚の目やたこの処置を行います。

この方は魚の目がかなり発達し歩行の際に痛みがあったため、何度か処置、治療を行っています。

まずは専用のハサミで魚の目周りの余分な角質を切っていきます。その後やすり掛けで表面をきれいにします。

魚の目専用の薬剤を塗布したパッドを患部に貼り付けます。そのまま貼ると少し大きかったり、剥がれやすくなることもあるため適切な形状に切り出します。

このあたりの細かい処置は経験豊富な看護師ならではです。自分で貼り付けるとすぐに剥がれてしまうことも多いですから。

爪が伸びていたので爪を切ります。この方はご自分では足の指先まで爪切りが届きません。感染や怪我の予防もあるため定期的に看護師が爪を切っています。

 

 

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