About 訪問診療への想い
未曾有の災禍のため、病院や施設への入院・入所に際しご家族様との時間が制限され、最後の時間も満足に一緒に過ごせない患者様や御家族様を拝見し、心を痛めておりました。コロナ禍である事が促進的に作用し、考えていたよりも早期の事業開始となりました。これもひとえに皆様方のご支援の賜物と深謝申し上げます。小生の専門性を活かし神経難病の方に特化した在宅支援診療所を目指していく所存です。
神経難病の患者様の在宅生活を支援するのに在宅診療だけでは成りたない事は明白であり、訪問看護・訪問リハビリテーションが必要であり、「訪問看護ステーション かふう」も併せて立ち上げをさせて頂きました。訪問診療させて頂いている患者様に対して訪問診療と連携した訪問看護やリハビリテーションを提供したいと考えております。お看取りから日常診療まで通院が困難となった神経難病の方の支援に尽力させて頂きます。
今後はより一層皆様のご要望にお応えできますよう、職員員一同、誠心誠意努力してまいる所存ですので何卒ご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
往診と訪問診療の違い
- 往診
- 「往診」は突発的な病状悪化などの際に患者さんやご家族の求めに応じて医師が自宅や施設を訪問して診療を行うことです。
- 訪問診療
- 「訪問診療」は定期的な通院が困難な患者さんに対して継続的かつ計画的に医師が訪問して診療を行うことです。かかりつけ医として普段から定期的に診療をさせていただくことで、いつもの様子や変化の兆候を把握できるため、急な病状変化のときも、患者さんやご家族の希望に沿った対応ができるというメリットがあります。
訪問診療の対象者
- 通院が困難で自宅療養を希望されている方
- 神経難病や重度障害をお持ちの方
- 脳卒中(脳梗塞・脳出血)などの後遺症で障害をお持ちの方
- 終末期がん患者様の緩和、看取り
- 交通外傷等による脊髄損傷による障害により通院が困難な方
- 医療処置が必要な方(胃瘻、経鼻経管栄養、在宅酸素療法、膀胱留置カテーテル、褥瘡管理、人工呼吸器・CPAP管理、気管切開チューブ交換など)
※施設に入所中の方に関しては、神経難病の方に限らせていただいております。
訪問範囲について
訪問範囲は、松阪市・津市の一部地域に訪問可能です。目安は当院から車で30km圏内。訪問範囲の詳細につきましては、お気軽にお問い合わせください。
当院の特徴
在宅療養支援診療所に
指定されています
当院は在宅療養支援診療所 届出番号(支援診3)第300号の指定を受けております。
通院困難な患者様に24時間対応の訪問診療を行います。
月に1-2回の定期訪問診療と、緊急時の臨時往診を行います。
緊急時は連携病院へ「搬送」をコーディネートします。
延命を希望されない患者様は、状況により「お看取り」も行います。
訪問看護ステーションと
連携しています
在宅医療において医師の訪問診療だけでは不完全で、看護師・理学療法士・作業療法士の介入は不可欠です。患者様へ最良の在宅医療を提供するために、情報共有を行いやすい環境、迅速な指示を出せる体制が必要になってきます。そのため、同医療法人の訪問看護ステーション かふうの利用を推奨させていただいております。
訪問診療で可能なこと
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処置
- 通常の点滴(維持液)、中心静脈栄養
- PCAポンプ(モルヒネなど)
- 経管栄養、経鼻胃管や胃瘻栄養
- 胃瘻交換(バルーンタイプに限る)
- 膀胱留置カテーテル・膀胱瘻カテーテル交換
- 気管カニューレ交換
- 胸水・腹水穿刺、腹膜透析
- 褥瘡処置
(外科的デブリードマン、各種被覆剤) - 在宅酸素、CPAP・人工呼吸器の管理
-
治療
- 栄養不良への点滴
- ヒルトニン・ボグニン点滴
(脊髄小脳変性症に対する) - ラジカット点滴
(筋萎縮性側索硬化症に対する) - 感染症への抗生剤点滴
(セフェム系、カルバペネム系等) - 内服困難時の抗てんかん薬の点滴
(イーケプラ、ビムパット) - モルヒネ導入
(呼吸苦・癌性疼痛に対して) - ボトックス注射(痙性麻痺に対して)
- 各種注射薬
(ステロイド、フロセミドなど)
-
検査
- 血液検査
- インフルエンザ迅速検査、
新型コロナ検査 - 12誘導心電図検査
- ポータブル超音波検査
- ポータブルレントゲン検査
薬について
薬は院外処方になります。ご家族が直接薬局に処方箋を持参してお薬を受け取るか、薬局から宅配してもらうことも可能です。宅配をご希望される場合は別途費用が発生しますのであらかじめご了承ください。
訪問診療開始までの流れ
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Step01問い合わせ
下記にお電話もしくはご連絡お願いします
ご自宅で療養されている方
現在ご自宅で療養されている方は、当院に直接お電話(0598-56-6001)ください。
現在入院中の方
現在入院している病院の社会福祉士(MSW)へご連絡ください。
-
Step02ご相談
その後当院もしくはご自宅で訪問診療に関してご相談させていただきます。
また訪問の際に、以下の内容を確認させていただきます。- 健康保険情報・各種公費の資格者証など
- 介護保険の状況
(介護度・利用状況など) - 元々のかかりつけ医からの紹介状
- 自宅での生活状況
-
Step03初回訪問・定期訪問開始
スタッフや医師から訪問診療についての説明があり、内容に同意いただけたら訪問診療を開始します。初回の訪問は往診となります。月1~2回の定期的な訪問を行い、基本的なメディカルチェックから必要な検査(採血・心電図・エコーなど)を施行していきます。継続的な診療により、普段の状態を把握することで緊急時にも適切に対応することが可能となります。
在宅医療に関して不安なことや疑問などがございましたら、その都度ご質問ください。患者さんにとってより良い方法を一緒に考えていきます。
費用について
月額の費用(医療費、居宅介護療養管理指導費)の目安は下記の通りです。
お住まいやお身体の状態、当院から訪問診療を提供する患者さんの数、自己負担割合等によって費用が異なります。処置や検査、往診などを行った場合は別途費用がかかる場合があります。
下記の費用は医療保険、介護保険の自己負担割合が1割の方の場合です。
1割負担の場合月2回の定期訪問診療を受けられ、処方箋をお出しした場合約8,000円~12,000円。血液検査などを行った場合には、別途加算されます。医療処置を行った場合には、別途負担があります。
よくある質問
- Q
在宅医療は誰でも受けられますか?
-
A
自力で通院することが困難であれば、病気の種類に関係なく在宅医療を受けることができます。ただし、自力で通院可能と判断される場合には引き続き通院をお願いすることがあります。
- Q
症状があるときだけ
往診してもらうことはできますか? -
A
定期的に訪問していない方の、その日のみの往診は行っておりません。
- Q
医師が1人で来るのですか?
-
A
定期の訪問は医師(主治医)と事務員でお伺いしますが、休日や夜間は医師のみでお伺いすることもあります。また、病状によっては訪問看護師やケアマネージャーと同席し、ご家族も交えて詳細な打ち合わせをさせていただくこともあります。
- Q
訪問日の曜日や
時間の指定はできますか? -
A
訪問スケジュールは、患者さんやご家族の希望を伺いながら相談の上で決定され、基本的には同じ曜日となります。訪問日当日は、前夜の状況も加味して朝にその日の訪問スケジュールが決められるため事前に訪問時間の指定はできませんが、ご希望があれば当日朝に大体の予定時間をご連絡させていただきます。
- Q
診察にかかる時間は
どのくらいですか? -
A
大体10~20分程度が平均的ですが、病状によって処置や説明のため30~60分に及ぶこともあります。
- Q
診療日以外や夜間に電話をかけても大丈夫ですか?
-
A
大丈夫です。お電話で状態をお伺いし緊急性が高い場合には往診します。
お問い合わせ先
訪問診療をご希望される方はお気軽にお電話にてお問い合わせ(訪問診療担当事務まで)ください。